いつだって前のめり

舞台.若手俳優についてごちゃごちゃっと

ミュージカルヘタリア、卒業宣言。

先日、標記のミュージカルタイトルのキャスト卒業が公式から発表された。

当初は例に漏れず、「絶対に3次元は無理」「キャストに外国人連れてこい」と散々な言われようだったが、幕が開いてみれば称賛の声が本当に多く聞こえてくる舞台作品になっていた。私の推している役者は特に出演はしていなかったものの、原作を読んでいたファンとして円盤を見ただけでもとても楽しい作品だった。キャストの再現率、舞台ならではの装置の使い方、アンサンブルさんたちの表現の多様性。なにより主演の役者が声から立ち姿から全てが画面から飛び出してきたようで、初めての主演とは思えないような堂々っぷりに驚いたのをよく覚えている。一作目のカーテンコール、キャラクターソングを引き継いで歌う演出ではそれぞれの個性がこれでもかというくらい全面に出ていて大好きだ。

 

今回、三作目での卒業公演宣言に思うところがある人はたくさんいると思う。特に「どうして初日に知らせるのか」「もっと早く知っていたらチケットを取ったのに」という人もいるかもしれない。

ただ、だからこそ舞台おたくや役者おたくは追いかけられるだけ、行くことができるだけチケットを確保する。いつこの作品が終わってもいいように、いつこの人の演技が見られなくなってもいいように。もちろんそんな日が来ないことが一番嬉しいけれど、それは到底無理な話だ。舞台だっていつかは終わるし、役者はいつ引退されても引き留めることなんてファンにはできない。おたくたちは彼らに突然会えなくなるのをよく知っている。だからいつ終わっても悔いがないように、今日も劇場へ足を運ぶのだ。

 

一年半という舞台シリーズとして決して長くはない期間。それでも、ファンにとっては最高のエンターテイメントを見せてくれたと思う。客が入らなくても制作のなあなあでシリーズが続いてしまうようなこのご時世、公式からのちゃんとした閉幕宣言はどこまでも潔いとすら思う。

15日から始まった大阪公演、そして東京公演の千秋楽まで、女の子にすぐ声をかけたり規律に厳しかったり塩鮭が好きな、舞台上での彼らを全力で応援したい。